2017年11月29日(水)
◎プログラム:命をいただく-鶏をしめて、さばいて、食べよう-
◎案内人:『山里ちゃふぇ』『アトリ』オーナーシェフ:可児和義さん/共同経営者:仁熊信子さん
※このレポートには、鶏をしめ、解体する場面の写真が含まれています。苦手な方はご注意ください。
普段スーパーなどで何気なく購入し、食卓に並ぶお肉。
鶏や牛、豚などのお肉だということはもちろん知っていますが、
その過程を想像して食べることは少ないのではないでしょうか。
このプログラムでは、産みたて卵を使ったプリン作りを学んだ後、鶏を一組一羽ずつしめて、解体して、食べるまでを体験します。
案内人は、稲武で農家レストラン「山里ちゃふぇ」(現在休業中)と、
シフォンケーキ・プリンのお店「アトリ」を運営している、可児さん(写真右)と仁熊さん(写真左)。
「山里ちゃふぇ」に集合した参加者の皆さんは、
はじめに鶏小屋の見学をして、鶏の種類や飼育の仕方について可児さんの説明を受けました。
ここにいる多くの鶏は、加齢などの理由で他の場所から引き取られてきたとのこと。
様々な種類の鶏たちが野原をのびのびと歩き回る風景は、とてものどかで心が和みます。
プリン作りのために、産みたての卵をいただきました。
ヤギもいるよ!
いただいた卵を使って、プリンを作ります。
仁熊さんの指導のもと、材料を混ぜ合わせ、容器に流し込むまでを全員で協力して行いました。
蒸し器にかけたらあとは待つだけ。出来上がりが楽しみです!
外に戻ると鶏たちが吊るされていました。
さきほどの可愛らしい姿を見ていただけに心が痛みますが、
せめて少しでも苦しまないよう、可児さんの説明をしっかり聞いて鶏をしめます。
一人ずつ順番に鶏の首を切り、動かなくなるまで抑えて血抜きをしました。
最後まで生きようともがく鶏の力強さに、皆さんも必死な様子でした。
解体する前に羽をむしります。
ひたすら手作業で抜いていくのでなかなか気が遠くなる作業です。
「どこまでが羽?」と苦戦しながらも、
せっかくいただく命だからきれいにしてあげたいと、皆さん根気強く小さな羽まで抜いていました。
羽の無くなった鶏を、可児さんのお手本を見ながら、お肉の部位ごとにさばいていきます。
ムネ肉、ササミ、手羽など、見たことのある形状になっていくお肉。
それが生き物の体の一部だということを、さばいてみて初めて実感しました。
とさかから足まで、食べられる部分は全てきれいに切り分けます。
さばいたお肉を、調理用にミンチにしたり細かく刻んだりします。
盛り付けや配膳など、全員で協力して食卓を完成させました。
本日のメニューはこちら!
自家栽培の野菜がふんだんに使われており彩りも鮮やか。
完成した頃には14時をまわっており
「鶏をしめてさばくのは、1日仕事だなあ」と
皆さんその大変さを実感されたようでした。
鶏にも野菜にも感謝をして、みんなで手を合わせて「いただきます」。
年齢も出身もバラバラな参加者の皆さんでしたが、体験を通して協力しあった一体感からか、
食事中は自然や生き物の話でおおいに盛り上がりました。
鶏をしめた直後は、食べる気持ちになるかどうか不安でしたが、
作業で疲れていたこともあり、美味しそうな香りが漂ってくると自然とお腹がすいてきました。
こんな部位まで食べられるんだ!と驚きながら美味しくいただきました。
取材に行くまで、鶏をしめることに恐怖と緊張がありました。
首を切られた鶏の目が、だんだんと濁っていく姿を目の当たりにして
せめて無駄を出さずにさばき、きれいに食べることでしか返せないと強く思いました。
自分の手でお肉をさばいたとき、
生きている鶏と、スーパーで売られているお肉が、つながったものだと初めて実感しました。
お肉も野菜もすべて命。
その恵みをいただいているということを忘れず、毎日の「いただきます」に心を込めたいと思います。
ライター
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とよたまちさとミライ塾事務局スタッフ
恐竜と石が好きです。
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