2018年10月27日(土)
◎プログラム: 天井画作家と巡る松平東照宮と蒔絵体験
◎案内人:漆芸家 安藤則義さん・安藤源一郎さん
松平町の松平東照宮で「天井画作家と巡る松平東照宮と蒔絵体験」が実施されました!
はじめに松平東照宮に奉納された108枚の天井画について、
制作者である、小原の工芸家 安藤則義氏から説明を受けながら鑑賞しました。
徳川家康没後400年に当たる2014年を記念して制作、納められた天井画。
そのきらびやかなご神殿の様子を「たくさんの人に見にきてもらいたい、知ってもらいたい。」と企画された本講座。
天井には全部で108枚の華やかな植物画が納められています。
松平家 = 徳川家康をご神体としてお祀りするお社として四隅に葵の絵。
ほかは色鮮やかに四季折々の植物、草花のモチーフが描かれています。
桜や椿など、日本を代表する華やかな花はもちろん、ホトトギス、苞の葉などの山野草。
そしてひまわりやチューリップなど、おなじみの花も。
眺めていると、ここにこの花、あの花がある!と、花探しをしたくなります。
すべて写生による作品ばかり。
その植物の見ごろの一、二週間の間にスケッチして描かれたのこと。
画材としての漆のお話。
中国、韓国、タイ、ミヤンマーなどの原産国の中でも、日本産の漆は特に質が良いこと。
温度と湿気の管理の難しさなど、漆にまつわる興味深いお話に参加者全員が聞き入っていました。
その後 会場を会館に移し、いよいよ蒔絵体験のスタート!
1、下絵を描く
2、下絵を参考にスプーンの柄に漆で下絵を描く
3、細かい部分まで描きこむ
4、粉蒔(ふんまき)して光らせる
というひとつひとつの工程ごとに
講師 安藤源一郎氏より、やってゆくことと注意することの説明がなされます。
まずは 下絵を描きます。みなさん天井画像に因んで、植物をモチーフに選びました。
携帯の検索画面やちょうど近くに咲いていた植物などを参考にして紙に鉛筆で下がきします。
次にスプーンの柄に下絵を参考に描いていきます。
安藤源一郎氏から今日遣う漆のこと。取扱いに必要な注意などのレクチャーがあります。
漆を和紙に絞りだし、濾して準備しながらのレクチャー。みなさんの真剣な視線が集まります。
画く面に油が付くと漆はのらないので、絵を描く面は手で触らないように気をつけて描きます。
ですから、ここからは手袋をはめての作業です。
いよいよ漆を筆に付けて色を付けていきます!
漆はどろっとした質感で、薄く平らにのばすのが難しい。厚塗りだと乾きが良くないこと。
後で粉を蒔く際に粉がたまってしまうので、できるだけ薄く、平らに塗っていきます。
普通の絵の具とは違う、その扱い方に
「難しい~」と言いながら、みんな真剣。
微妙な筆先の扱いが必要な粉薪も、講師のお手本を見てチャレンジ!
黒地のスプーンの柄に美しいキラキラした紅葉が舞い、花々が咲きました。
葉脈などの細かな部分は竹串で筋を付けます。
地元の親子や地元の方は改めて その良さを学べました。
蒔絵体験講座を探していたという方も、この日の思い出になる、すてきなスプーンができました。
講座を終えて
「今は安くて簡単なモノが出回っているけれど、難しさも含めて、蒔絵の良さを知ってもらえたと思う。」
「使った漆は代用品ではなくて本物。本物に触れることのできる、こだわりの体験をしてもらえたと思う。」と、
講師の安藤則義さんと源一郎さん。
共に講座を終えた感想を語っていただきました。
天井画で本物の工芸作品のきらびやかな美しさと
本物に触れることのできる体験講座に
大満足!のひとときでした。
ライター
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とよたまちさとミライ塾 市民レポーター
(とよたプロモ部 部員)
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